学科長挨拶について

~作業療法への道~

今春,本学作業療法学科は開設から5年目を迎えました.2022年3月には1期生を輩出し,4月からは本学科の卒業生が初めて作業療法士として臨床の場に立ちます.今後も,2期生,3期生と本学科卒業生が社会に役立てるように,学科教員一同一丸となり,学生教育に取り組んでまいります.

作業療法士の仕事

作業療法は,「人々の健康と幸福を促進するために,医療,保健,福祉,教育,職業などの領域で行われる,作業に焦点を当てた治療,指導,援助である.作業とは,対象となる人々にとって目的や価値を持つ生活行為を指す」と定義づけられています(2018年5月 日本作業療法士協会).つまり,作業療法士は,何らかの障がいにより「作業機能(日常生活を成り立たせている行為や活動ができること)」に行いにくさを抱えている対象児・者に対して,「作業」に焦点を当てたアプローチを行います.ここでいう「作業」とは,「日常生活でしたい,しなければならない,することを期待されている活動」を指しています.すなわち,作業療法では,その人の暮らしや人生において,行う必要のある日常生活活動(例えば,食事,着替え,入浴,家事,仕事,学校などの自己実現に向かう活動),また,楽しみ(趣味など)を再獲得する支援をしていきます.対象となる年齢幅や疾患も幅広く,乳幼児期から高齢者まで,身体疾患から精神疾患,ターミナルケアまで,あらゆる領域で活躍しています.また,近年さまざまな領域で活発な作業療法研究が実践されており,本学の大学院においても作業療法研究の窓口が開かれています.

作業療法士の役割

最新の医学的な知識と技術,リハビリテーションの手法に基づき,対象児・者自身が意欲的に取り組み,この世に唯一無二である「その人個人のその人らしい日常生活を取り戻すための治療」です.例えば,麻痺があり片手がうまく使えないけど,片手で料理するにはどのような体の使い方が適切か,調理器具はどのような工夫がいるか,精神疾患により意欲が低下している対象者を元気づけ,本来の自分に戻ってもらうにはどのような作業活動を提案すれば良いか,発達に問題を生じている子どもたちに対して,どのようなあそびを提供したら子どもたちの意欲が高まりあそびが発展するのか,などについて,精神的側面や身体的側面から考え,対象児・者の日常生活活動の獲得につながる支援を提供していくことが大きな役割になります.

作業療法士をめざしませんか

一般教養,臨床医学,作業療法専門学と技術,臨床実習と作業療法士の養成課程は学ぶことも多く,大変さもありますが,それゆえに,4年間ともに歩む学友との絆や,指導者との出会いは貴重な経験となることと思います.日常生活を支援する作業療法士を目指してみませんか?

本学の作業療法学科教育課程については,大学HP【学びのステップ:履修モデル】を参照ください.

2022年4月1日 大歳太郎

関西医療大学作業療法学科
Powered by Webnode
無料でホームページを作成しよう! このサイトはWebnodeで作成されました。 あなたも無料で自分で作成してみませんか? さあ、はじめよう